『引き戸と開き戸。』(コストのこと)

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昨日(6月5日)の雨も上がり、

今日は終日いいお天気になりそうです。

お出かけにはもってこい!

ご予定のある方は、良かったですね。



先日、私の親戚の家(築後30年超)を

高齢者向けに一部リフォームをしたのですが、

従姉妹が最も切望していたのは2点。



「段差解消」


と、


「引き戸」



でした。


両方とも、高齢者にとってはすごく重要です。

ちょっとした段差でつまづいて転倒すると、

骨折 → 入院 → 寝たきり・・・

のリスクがあること、

車椅子を利用されている場合は、

少しの段差でも自力で乗り越えるのに難儀します。



もう一方の、引き戸ですが、

車椅子を利用されている方でも、簡単に開閉ができることと

開き戸と違い、場所を取らないことで

これも、高齢者の家での暮らしには欠かせないアイテムです。



この2点は、

高齢者向けというだけでなく

全ての年代に使いやすいのではないかと思います。



ただ、ネットやチラシで拝見する

「プラン」(間取り)

には、引き戸が書き込まれていることは少ないですねー。



これは設計者、もしくはその会社さんに聞かねば本当のところは

不明ですが、

私が察するに・・・・・



「開き戸(ドア)は安い」



からではないかと思います。



ちょっとご参考までに、

こちらは、日本を代表する有名建材メーカーである

大建工業さん(DAIKEN)のカタログから画像をお借りしました。

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          ↑「引き戸」



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           ↑「開き戸」



どこがコストの違いがお分かりでしょうか?



建て具本体も、引き戸の方がやや大きいのですが、

一番の違いは、


「枠」 と 「金物(レール)」


です。

ざっくりと、

引き戸の上下枠は、開き戸の「倍」です。

(縦枠はほぼ同じ)



ということは、

引き戸に使う「レール」(吊戸の場合下はない)も枠の長さ分必要ですね。

そもそも開き戸には、蝶番(2〜3個使用)が使用されており

埋め込んだりの手間がかかる「レール」がありません。



細かい点の積み重ねにより

総じて引き戸はコストアップになっているのが

お分かり頂けたことと思います。



これらを総合して、

仮に1ヶ所あたり、2万円のアップとすると、

家全体で、室内建て具が10ヶ所あれば、

単純計算で、

20万円!

のコストアップということになります。



おおー、

結構な金額ですよねー。

20万円といえば、家の中で私が思いつくのに、

「いい便器」(タンクレストイレなど)

一つ分のお値段ですね。



もしくは、

ちょっといい

「ガスコンロ」(リンナイでいうと”デリシア”クラス)

か、

輸入品の

「食器洗浄機」(ミーレ、AEGなど)

あたりの金額ですね。




そりゃ、言わないと気づかない、

または、住んでみないと分からない

「引き戸」より

パッと目につくいい設備機器類の方が

高級感がありますからね。

こちらにコストを配分した方が

「クオリティが高い!」

と、思ってもらえるでしょう。

特に、上記の設備機器類は奥様にはウケること間違いなし!です。

もしくは、普及品にすれば(引き戸を使用している会社と)比較すると、

安い、

ですね。




よく、

「坪単価はおいくらですか?」

と聞かれます。



ご検討中の方には、

価格の尺度として一般的な質問ですが、

引き戸は使っているのかなどの点は、

坪単価では伺い知ることができません。



また、

「標準仕様」

も、よく聞かれますが、

これも、内外装(屋根・外壁材など)と設備機器類(キッチン・便器など)が

ほとんどで、

引き戸は何ヶ所あるのか(1ヶ所だけってのが多い)、

手すりはどこについているか、

階段の滑り止めはどうなっているか、

など、暮らして初めて気付く不便な点は、

いちいちカタログには書いてありません。




うちの親戚の家がそうだったように、

「開き戸」

を、

「引き戸」

に変えるのは、結構大変です。

場合によってはできないケースもあります。

むろん、後からの工事なので

”余計なコスト”

も発生します。



何が高くて、何が安いのか、

これは、

その方の価値観によります。



私は、「家」を

”長期間(少なくとも30年以上)使用する”

と考えていますので

引き戸へのコスト配分は、

全く高いとは思いません。

むしろキッチンやカーテンなどのコストを落としても、

配分すべき点であると、認識しています。



なぜなら、設備機器類は、

ガスコンロであれ、

食器洗浄機であれ、

便器であれ、

いつかは必ず交換することになるからです。

(上記3点の中で最も長持ちするのは、なんたって便器!

便器は1日一人当たり平均5回は使うものなので、

いい便器にすると、長く気持ちよく使えるってことですね。)



引き戸は、”修理”で使い続けられます。



へー、ここ(の会社)は安い!



と感じたら、

どこがコストダウンの箇所なのか、

そのコストダウンは、

自分たちにとって


最終的にデメリットを自分たちで背負うことになる


ポイントではないのか、

見極める必要があるのではないかと、

思います。



車を買うときに、

カタログで、数値を確認しませんか?

燃費、トルク、などなど。




次回は、数値で比較するハウツーをご紹介します。








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by ntecj-yoko | 2015-06-06 08:13 | ちょっと注目 | Comments(0)

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