人気ブログランキング | 話題のタグを見る

『太陽”熱”利用(自然エネルギー利用について)』

『太陽”熱”利用(自然エネルギー利用について)』_b0122502_1648322.jpg

昨日の午後から外気温が上昇し、

ますます春めいてきましたね。

朝も早い時間から明るく、

夕方の日の入りも随分と遅くなりました。

ちょっとしたことですが照明器具の省エネになります。



日差しが明るくなり、日照時間が長くなると

太陽”熱”温水器の活躍時期です。

太陽”光”発電も活躍する時期ですが、

あえて、「熱」の方について。


一年を通して、暮らしでお湯は使われます。

家庭で使われるエネルギーの約40%が給湯です。

まあ、真夏でもお湯を使ってお風呂に入りますからね。


なので、お湯をどう賄うかは、省エネルギーのキモでもあるのです。


こちらの写真は、先月お引き渡しをした中区千田町のY様邸の屋根です。
『太陽”熱”利用(自然エネルギー利用について)』_b0122502_8441688.jpg

上部に見えているのが「太陽熱温水器」のパネルです。

約4㎡ 程度のため、太陽光発電に比べるとささやかな感じですね。

Y様邸は街中ですが、立地条件が自然エネルギー利用に適していたため

高性能躯体(最重要!) + 太陽熱温水器 + 太陽光発電 + 高性能設備

によって、ゼロエネルギーを達成しています。

むろん、太陽光発電は「最小限」で計算されています。

(が、多分余剰が出ると予想しています。)



太陽熱温水器といえば、以前のタイプは、

水を屋根のパネルにあげてお湯に変えていたため

屋根にあるパネルに丸っこいタンクがくっついていたのを記憶されている方も

いらっしゃるかもしれませんね。

水による荷重も大きく屋根への負担が大であり、

漏水などの事故もあったようですが、

今は不凍液を巡回させて地上にあるタンク内の水を熱交換させるタイプが主流で

屋根の重量負担や漏水事故の発生はかなり少なくなっています。



このように熱交換のやり方は変わりましたが、

太陽熱によって水をお湯に変えるという仕組みそのものは

全く変わっていません。

太陽光発電と違い、いわゆるハイテクでもなく、駆動部分も少なく

よって、故障のリスクやメンテナンスの面倒も

少ないのも特徴です。


そのせいか、推奨すると

「え?太陽熱温水器??!」

と、びっくりされることも少なくありません。

すでに終わった技術、時代遅れ、(怪しい商法もあるかな?)

のイメージをお持ちの方も多いようです。


確かに古い技術ではありますが、

外気温が10度に達しない今(3月)でも、

天気が良ければ40度を超えるようなお湯が取れます。



太陽熱も自然エネルギー利用のため、

立地条件によっては導入ができない場合もありますし

天候によっては、お湯が取れない日もあります。

しかし、私がお勧めするわけは、

太陽熱温水器は、

「貯湯」

ができる点です。

太陽光発電は、未だに蓄電が一般的ではないため、

昼間の発電分を夜間に使うのに取っておくことが出来ません。

(余剰分は電力会社に売電していますね。)

しかし、太陽熱でとったお湯は、貯湯タンクで保温されているため

夜間にそのまま使えます。

自宅で使うエネルギーを出来るだけ自宅で賄う、という点で

お湯はなかなか理に適っているのです。



「ゼロエネルギー住宅」を計画するにあたり、

家庭で使うエネルギーを全て電力で賄おうとすると、

使用分に匹敵する太陽光発電を設置しなければなりません。

発電が出来る昼間の余剰分を売電するとリターンはありますが、

エネルギー利用という点で考えてみたら、

もったいない話ではあります。

なんだか、本末転倒な気もしますし。



電力会社から購入するベースロード電源は絶対に欠かせません。

なので、電力利用が出来るだけ少ない設計をしておき、

必要な分を電力会社から購入し、

その他のエネルギーをどう賄うかについて

分散して考えるべきかと思います。



エネルギーを何でどう賄うか、を決めるためには、

何がどれだけ使われているかを知らなければ出来ません。

また、エネルギー単体で考えるのではなく、

例えばお湯であれば、

保温性の高い浴槽、浴室を一緒に考えることで

太陽で賄ったお湯の熱を逃がしにくい

(追い炊きが少なくなる → 給湯器の利用減 → ガスor電気減)

という相乗効果が発揮されるわけです。



自然エネルギーはクリーンないいイメージがありますが、

天候に左右されるため不安定で、

効率も格別に優れているわけでなく、

扱えば扱うほどわかりますが、

利用がなかなか難しいエネルギーです。



太陽の”熱”は、お湯を沸かすだけでなく、

暖房の補助にもなります。

立地条件や地域の天候を十分に加味しながら

建築と合わせて、

あるものは「うまく使う賢い作戦」を立てましょう。

その際に、何を導入して何をやめるか、が大事です。





エヌテックのホームページ・イベント情報 ← はこちらから!
by ntecj-yoko | 2015-03-14 09:29 | 取り組み

設計士yokoが主催する スタジオエンネのブログ


by ntecj-yoko
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31