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『家作りにおけるお金のかけ方。』

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いやあ、今朝は冷え込みましたね。

春を願って、ブログの背景を模様替えしてみました。


さて、昨日、1月17日は阪神・淡路大震災から20年の

節目の日でした。

このブログでも、もう一度災害に備えることについて

考えて頂きたいと、お伝えしました。


新築でも、リフォームでも、家を作るご相談を承った際に

ご予算とご希望をお聞きしますが、

最も難しいのが、「配分」です。


皆さん、新しくなるお住まいに対して様々なご希望をお持ちです。

キッチンはこうしたい、お風呂を広く、書斎が欲しい、収納を充実させて、

リビングは広く、明るく、お庭を充実させて、涼しく暖かく・・・・・・

一般的なご要望はこんな感じでしょうか?


他に個人的な好みや趣味を活かした空間にしたいとなると

様々です。


家は、プライベートな空間ですから、

法律に違反しない限り、タブーはありません。

思う存分、ご自分らしさを最大限活かして頂きたいですね。


しかし、予算には限りがあることがほとんどです。

大切な予算をどう使うか?


ここで、私が皆さんに申し上げたいのは、

何度も書いている通り、



「家は建築であって、

人の命を守る構造と、快適性(温熱環境)は建築が作る。」



ことです。



1、構造 = 災害に備え、いざという時から人の命とくらしを守る。

2、四季それぞれの気候を判断し、通年での快適性を獲得する。

3、2を省エネルギーで実現する。


構造も、断熱気密性も、建築でしか実現できません。

エアコン他の設備による快適性は、

設備機器がある室内空間の熱の逃げにくさによって効きが決まります。


かなり前になりますが、

エヌテックにご新築の相談にお越し頂いた方が

情報を仕入れ過ぎから?相当悩まれていて

「結局、家を長持ちさせるには断熱しないほうがいいんですかね?」

と、極論をおっしゃっていたのには驚きました。

また、ある会社さんで

「広島は北海道とは違います。寒くないので中気密、中断熱でいいです。」

と言われたそうで、どうなんですかね?

と、聞かれましたが、

ほうほう、なるほど。

えーっとですね、

「平成25年基準」

というものが国土交通省から出され、

移行期間(新基準に付いてこれない業者さんが慣れるまでの期間)を経て

2015年4月1日から次世代省エネ基準から完全移行し、

今後は義務化されることを鑑みると・・・・・

お分かりですね?

基準についてはここで詳しく解説はしませんが、

先日のエヌテックブログで、渡部が触れております。

今後は次世代省エネ基準を超える断熱性を要求されるわけで、

「高断熱」と言っていい基準です。

エヌテックの標準からすると新基準も甘いですが、

エヌテックでは、快適性&省エネルギー性を自社基準で決めていて

その平成25年基準をさらに上回る数値を標準仕様としています。

(気密性についての基準は国から求められていませんが

会社のコンセプトとして温熱環境の快適性をうたう以上、

気密測定は必須ですから全棟で2回実施しております。)


また、多くの補助金などは国の定める基準に沿うことが前提のため

最低限ここをクリアしていないと、様々な恩恵も受けられません。



ここで触れておきたい点は、

基準とは、最高のものではなく、これはいくらナンでもクリアしてくれなきゃね、

という「最低」を示したものである、という点です。

建築基準法も同じく最低の基準です。




住宅雑誌が顕著だと思いますが、

写真のインパクトは大きいこともあって、

素敵な空間や工夫、インテリアがたくさん掲載されています。


そこを実現するにあたり、

予算の配分から、構造、断熱気密性が割り引かれるのであれば

本末転倒だと思います。


先ずは、「建築」として家がどうあるべきかが先で

そこにしっかりと資金を配分して、

災害に備え、日々を快適で省エネに過ごせるようにしておくこと。

その上で、自分らしさを活かした空間にするか、

という順番が「建築」をする際の正しい順序かと思います。



雑誌が、素敵な写真をたくさん掲載するのは

間違っていません。

家づくりには、多大な資金が必要ですから、

大きな決断になります。

だから、そこには「夢」も必要です。

しかし、これは絶対!と思った夢の部分は、案外と移ろいやすいものだったりします。

時が流れると、時代も変化し自分も変わり好みも変わり、

こだわっていたものが、何だかつまらなく見えたりすることも

あるかもしれません。

幸運にも2度ご自分の家を建てられた廿日市市のお客様は、

最初に、性能の低いにも関わらず大きな吹き抜け、

格子のある出窓に2段フリルのレースカーテン・・・

などなど、どちらかというとラブリーな作りにされていましたが、

10年経って、いろんなことを知るに連れて

すっかりミニマムなシンプル派に変貌され、

ご自分と家が明らかなミスマッチ状態となっていらっしゃいました。



一度作ってしまうと、簡単に壊せないのが建築の悩ましい点です。




くどくて恐縮ですが、

建築は建築としてしっかり理に適ったものにした上で

(=しっかりした構造で災害に備える、

適切な目標を定めた断熱気密で快適な温熱環境を作る。)

夢の部分をご自分らしく表現して頂きたいですね。




家族の命を守れるか、快適でいて省エネで暮らせるのか、

その会社がどう考えているのかを知ることは必要です。

ぜひ、住まい教室にご参加下さい。

何十年も住む家を作り、大金をかけるのに

2時間はむしろ足りないくらいですから。





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by ntecj-yoko | 2015-01-18 09:26 | 取り組み

設計士yokoが主催する スタジオエンネのブログ


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