『建てた後から始まる、を考える。冷房 その4』
2014年 05月 10日
少し、更新が滞ってしまい失礼致しました。
「冷房」について、続きです。
エヌテックは、パッシブデザインという自然の力を利用した
設計手法を採用し、先ずは”敷地と周辺が持つ可能性”
を最大限活かすことを考えます。
敷地の条件というのは、場所によって千差万別であり、
パッシブデザインだから太陽と風が存分に利用できる、
というわけでもないんです。
ケースバイケース、条件に合ったやり方があります。
そもそも、方位や近接する建物によって日射取得が難しい
場合もありますし、
風は「卓越風」(地域特有の風)通りに吹かないこともあります。
(風キャッチするのは本当に難しい!!)
「街中」の場合、特に夏場が要注意!ですね。
自然がいくら好きと言っても、
真夏の猛暑で強烈な太陽でカンカンに熱せられた道路、
コンクリート建築物、エアコンの排気・・・
道路は、50~60℃くらいになっていることもあり、
昼間は当然ですが、夜になっても外気温が下がらず
特に昼間(都会の場合)窓を開けて風を取り込むと、
熱風を室内に入れることになってしまいます。
「通風」といって、風を入れて出す(風を通す)こともできますが、
熱が室内に入ってしまい室温上昇の原因となってしまうわけです。
日が沈むと外気温も下がる、周辺を緑に囲まれた条件でなく
蓄熱性のある物質(コンクリート、アスファルト)に囲まれて
熱を発生するもの(エアコン室外機、車の排気ガスなど)が多い場合は
真夏の日中は窓を開けずエアコン冷房を利用する、
(もちろん外部で熱をシャットアウトできるようにしておく)
日が沈んで外婚が下がる、もしくは風が涼しくなったら
窓を開けて通風をする、がおススメです。
年々暑さを増す「真夏」において、風を通すことは逆に室内を暑くし
冷房負荷を多くしてしまう危険大!です。
くどいですけど、
先ずは、一番の熱的な弱点である「窓」で
日射遮蔽を行えるようにしておくこと、
(高性能窓+窓上庇、ルーバー雨戸、シャッターなど)
その上で効率の良い冷房を備えておく、
が”真夏の街中ライフ”にはおススメです。
日本の夏は高温多湿のため、暑さに対し身体の防御策としての
汗が乾きにくい→体が冷えにくい、という厳しい条件です。
我慢もほどほど、高効率になったエアコンなどの冷房機器を
上手く使って下さい。
「エコハウスのウソ」(P41)に書いてあるように、
現代の本当の 「夏を旨とした家」 とは、
『わずかな電力で冷房が上手に出来、健康と命を守る家』
のこと、だと私も思います。
涼しい夜風を取り込む通風も考えておきながら、
わずかな電力で冷房が出来るような家にしておく・・・
建築で出来る部分をちゃんとやっておかないと、
多大なる電力で無理やり冷房→多大なる電気代に驚愕→
省エネと言う我慢の生活に後戻り→暑くて寝られず体調を崩す・・・・
もしくは、下に溜まった冷気おため冷え過ぎで体調を崩す・・・・・
ってことになりかねませんのでご注意!
建築で備える・・・高性能窓は絶対のおススメアイテムですが
軒(南で特に有効)と窓上庇も必須!
日陰を作ってくれ、簾も取り付け可能な便利なやつ。
しかし、これ(庇)、建築後は設置が難しい(というか無理かな?)・・・
冷房とは関係ないですけど、庇が遮ってくれるのは強烈な日差しだけでなく
「雨」もです。
庇があると、雨が降っても窓が開けられます。
深い軒、窓上庇、ルーバー雨戸を備えたZEHの「TK-house」
5月9日(金)午後2時頃撮影したもの。
サッシは、シャノンの樹脂サッシ(U値=1.5W/㎡K)を採用してます。
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by ntecj-yoko
| 2014-05-10 18:58
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