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『堀コタツと小上がりの和室。』

『堀コタツと小上がりの和室。』_b0122502_1648322.jpg



昨日は終日曇りでしたが、

今日は、いいお天気になりそうです。

暑くなって、紫外線が強くなってきましたので

日傘、帽子が必須の時期になりましたね。



先日のこと、

現在、大阪に転勤中の弟が帰ってきたので

家族で晩ご飯に出かけました。

高齢者もいるため、和食系がいいよね、

と、居酒屋さんをチョイスしたのは良かったんですが、

ご案内を頂いた席が、



「堀コタツ」



でした。

見た瞬間、

あーダメだわ・・・・・・

ということで、

事前に伝えていなかったことをお詫びしつつ、

丁寧にお願いして席を替えてもらいました。



お住いの計画にあたりご要望をお聞きすると

最近は、少なくなったようですが、

たまに、

「堀コタツ」

が、あります。

通常のコタツはと違って

足を下ろせるため、疲れにくく長時間座ることができます。

床に座ってのんびりできるし、

ゴロッと横になれるのが魅力です。

余談ですが、床に直に座るのは日本人くらい?らしいですね。



しかし、

床に穴を開けてある堀コタツが楽と感じるのは、

足に不安がない若年層までなんですよ。

高齢者にとって、

床に座ること自体がかなり難儀ですし

なんとか座ったとしても、今度は立ち上がらねばなりません。

床穴から足を出すのにお尻を回して体を使って、

膝を立て立ち上がるわけですが、

足が弱った高齢者にとって

真っ平らな床から立ち上がる動作はかなり大変です。

手すりになるものが近くにあり、両側から支えるか、

でないと、立てません。



食事の途中にお手洗いに行くことになったときには

もう大変!



そんなリアルな体験をしたこともあって、

堀コタツのご要望には慎重にお話をします。

小上がりの和室も同様です。

この場合、高さが重要で階段一段分+αが限度でしょう。

年をとって、腰掛けて和室に上がれるから、

と、おっしゃった方もいらっしゃいましたが、

椅子代わりに腰掛けるのは可能ですが、

(しかし、背もたれがないのは少し危ない)

そこから立ち上がらねばならず、

それが一番難儀なんですよね。

今の私は、段差は若年の時代のものと考えています。



また、床に段差を付ける場合は、

(小上がりの和室や、スキップフロアなど)

リビングの真ん中ではなく、隅っこがいいと思います。

先日お引渡しをした、

佐伯区のN様邸、

中区のY様邸(3階建)、

共に、そのように(隅っこ)配置しています。
『堀コタツと小上がりの和室。』_b0122502_830515.jpg

左が小上がりの和室。☝️佐伯区のN様邸です。

ちなみに、段差は約30センチです。



空間に変化をもたせる、

面白空間、

という、意匠(デザイン)的な意図も理解できますが、

実際問題として、

家は長ーーーーーーーーく使うため、

床を平らに直したいとなったら、結構大変です。

置き家具やファブリックなど容易に交換ができるものと

建築は分けて考えるべきでしょう。



おいそれと直せないものは

ややこしくしない!



クリエイティブな空間にしたつもりが、

怪我を誘発してしまい、

場合によっては、長期入院・・・

など、

意図せずに不本意な結果を招くリスクを考えたら、

慎重になるべきじゃないかな?

と思うんです。



人は誰でも年を取ります。

少しの段差は危ないけど、

大きな段差は気がつくから大丈夫、

という話もありますが、

実際のところ、

何にしろ段差はない方が無難ですし、

作るなら場所をよく検討することをおすすめします。




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by ntecj-yoko | 2015-05-29 08:31 | ちょっと注目

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