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『一生モノ。』

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桜が終わって、

やっと春らしい気候になってきましたね。

明るい日差しがまぶしく、

太陽が沈むのがかなり遅くなりました。

この季節には毎年ことですが、

羽織物に悩みます。



さて、



「一生モノ」


という言い方をされるモノってありますよね?



私が好きなスタイリストさんである

「地曳いく子さん」の”50歳、おしゃれ元年”

という本に、クローゼット見直し編があり、

そこに、一生モノの捨て方と付き合い方が書いてありました。

ご興味のある方はぜひ、ご本をご参照ください。

ズバズバ辛口の面白い本です。



一生モノ・・・・・・

長く愛されてきたベーシックなデザインで素材がいい洋服、

宝飾類、バッグ、靴・・・・・

いずれも”高価である”ことが多いかと思います。



ミーハーな私がパッと思いつくのが、

ファッション関係限定ですが、




バーバリーのトレンチコート(約20万円)、

ケリーバッグ(約100万円近く?〜素材によって上限なし)、

シャネルバッグ(マトラッセ:約30万円〜素材によって上限なし)、

パールのネックレス(20万円くらいから?)、

JMウェストンのローファー(6万円くらいから〜)、

ロレックスの腕時計(50万円くらいから素材やデザインによって上限なし)



などなどでしょうか?



これらの共通点として、

ほぼ完成されたデザインであること、

どこに行っても恥ずかしくない品格があること、

何歳になっても使える(似合う)こと、

ではないか思います。

自信を持って身につける品で、自分自身をも格上げしてくれそうな?モノたち、

ですかね。



結構なお値段ですから、

「一生モノだから。」

と自分を納得させて清水の舞台から・・・

で(庶民は)購入するイメージです。



トレンチコートやシャネルバッグなどは

トレンドに合わせて少しづつデザインを変化させていますから

これらが本当に一生モノになるかどうかは別として

いずれも、お金を掛けどころを押さえたポイントものばかりに思います。



反対に、今年の流行のガウチョパンツやデニムシャツ、

透け感のあるシャツやスカート、

Aラインのボーダーシャツなど

時代の空気を楽しむこれらのものは賞味期限が短くて

来年は使えるかどうかわかりません。

流行モノとは、元々そいう楽しみ方をするモノだと思います。



家も一生モノで間違いありません。

ファッションと違って買い替えが出来ない点は大きく違いますが、

(捨てることも出来ませんよね。)

家も時代の様々な流行の中にあります。




で、私が思ったのが、

家の中で一生モノにすべきは、

「基礎・躯体・屋根などの基本構造部分」であること、

流行モノで時代の空気感を楽しむのはインテリアであること、

です。



よく言われる、

スケルトン + インフィル 

の考え方に沿ったものです。



スケルトン = 構造に関する部分

インフィル = 家具、カーテンなどの部分



「外観デザイン」を

あまりに今の気分(時代と自分)にフィットさせてしまうと

時代や自分自身が移り変わった時に、愕然とするのではないでしょうか?




インフィル部分であれば、

時代の流行や自分のその時の気分や年齢、趣味に合わせて

気軽に替えられます。



ほんの2〜3年前まで、いわゆるナチュラル系が全盛期を迎えていて

ファションも家づくりもそれ一辺倒だった気がしますが、

イマドキの流行はサイクルが早く、

今や、より洗練された都会的なナチュラルに進化し

ナチュラルすぎるものは最早イタイ感もあります。



しかし、どんなに時代の流れが早く流行り廃りがあろうが、

建築そのものは作ってしまえばやり直しが出来ません。



一生モノになるであろう部分と、

変わる、変えられる部分を区別すること、

「今を楽しむ部分を見極めて」

家を作るのが賢明なのではないでしょうか?



今年は、トレンチコートが流行っていて

オリジナルをベースとした様々なバリエーションを見掛けます。

さすがに、もともと完成されたデザインだけあって

どんなにイジろうとも、どんな色になろうとも

ビジネススタイルにも、カジュアルにもフィットしていました。
『一生モノ。』_b0122502_9331497.jpg

こちらは本家本元バーバリーのトレンチコート”ヘリテージコレクション”より(2015年版)↑

写真はバーバリーのサイトからお借りしました。

基本のデザインはほぼ不変ですが、

スタイル自体はイマドキに合わせてありますね。




時が移り変わり

あの時にあれほど好きだったものが

今は、時代とも自分の気分とも合わなくなっていることは

往々にしてあります。

誰だって時間の流れの中にいるのですから。



家づくりの一番の”やっちまった!”は、

暮らしを考えていなかった(洗濯物干しなど)ことと並んで、

実は、欠陥住宅などよりも(いやもちろんこれも重大ですが)




「自分の”気分”に合わなくなること」




ではないかと思うんです。




時の流れに逆らえる人はいないはずですから、

賢く楽しみたいモンです。





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by ntecj-yoko | 2015-04-18 09:21 | ちょっとしたこと

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